2014/09/30 堀川鮮魚ブログ

Nの市場徒然日記 その14 ~落語「目黒のさんま」の世界~

市場よりお届けします。

皆様お久しぶりです。
秋です。秋といえば、芸術、スポーツ、食欲の秋とございますが…

 

いや、秋といえばサンマの秋です!

と声高に魚屋らしくいったところで始まります、このブログ。

さて、今回のお題である「目黒のさんま」ですが、
恥ずかしながらN、落語ということさえ最近知りました。
やたら耳にする言葉だったのですが、意味も由来もわからない…
ということで、CDで聞いてみました。

話の筋は、急に目黒に遠出したお殿様が、お腹が減ったので弁当を欲しがりました。
家臣たちは「あんたがいきなり出て行ったから弁当なんてないわ!」
と思いつつも、何とかサンマを分けてもらうことに成功!
さて、お殿様は魚は鯛しか食べたことがございません。目の前には焼かれた黒いサンマ。
この黒い物体は…?と思う殿。
ちなみにサンマは昔は下魚と呼ばれ、庶民しか口にしなかったそうです。
家臣の説明を聞き、食べてみたところ…

うまいのなんの!!

すっかりサンマを気に入った殿でしたが、家臣は下魚をお殿様に食べさせたことに戦々恐々ガクブルです。

その後、サンマをわすれられないお殿様。
殿の親族会で「サンマが食べたい」と言ってしまいます。
周りは大騒ぎ。お殿様の食べ物なのでサンマなんて用意もしてない。
急いで日本橋の魚河岸に行ってサンマをゲット!

しかし、お殿様に出すもの、脂を抜いて、骨もとり、身が崩れそうだったのでお椀にして出しました。

しかし、そのさんまのおいしくないこと。
「どこのサンマだ?」とお殿様。
「はい、魚河岸にて求めたものにございまする」と家臣。
「なにぃ、それはいかん!サンマはなぁ…」

「目黒に限る!」

という「お殿様って何にも知らないんだね笑」という落ちです。

落語をしっかり聞いたことのないNでしたが、おもしろいんですね、落語って。

落語を聞きながら、最近家に入った魚焼き機に感謝しつつ、脂ののったサンマを食べる。

これもまた、乙なものでした。

以上市場からお届けしました。

<参考文献>
十代目金原亭馬生、『落語名演ガイド【6】「目黒のさんま」、コロンビアミュージックエンターテインメント株式会社、2005.11
グループこんぺいと、『声に出して楽しむ落語』、黎明書房、2014、pp.15-23
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